2019-01-01から1年間の記事一覧

後悔の哲学

後悔をするときは必ず自分のしたことに対する後悔である。他人がしたことであっても、自分が違う仕方で関われたのではないか、自然がしたことであっても、そうである。 後悔するときは、自分が違う仕方でできたのではないかという仮定が前提となっている。発…

精神的物々交換

村上春樹のいう「精神的物々交換」とは、『騎士団長殺し』でいえば、画家の雨田具彦が書いた「騎士団長殺し」の絵がそうなのである。 「騎士団長殺し」は元々モーツァルトのオペラである。それを画家の雨田具彦が日本画の手法で描いた。登場人物も日本人の設…

村上春樹のインタビューポイント

①精神的物々交換 ②観念 ③身体感覚 ④死と再生 ⑤物語の力 ⑥一人称

村上春樹と神話

以前どこかで「村上春樹の小説は神話的である」という文章を読んだことがある。 その時は意味がわからなかったが、この頃その意味が少しわかってきた気がする。 最近の村上春樹のインタビュー記事の中で話題になっていたことの一つに「死と再生」というテー…

カオスとノモス

「インドの祈祷師は日本の妖怪に対処できるのか」という思考実験に隠れているテーマは、実はカオスとノモスの関係性の問題である。カオスとは、混沌、無秩序を意味し、反対にノモスとは、秩序や規範を意味する。 カオスとノモスの問題は至る所にある。人間の…

カオス

人間の知の営み全てが、カオスから切り取るということをしている。その切り取る手段は時に言語であり、時に数式である。カオスはカオスのままでは知とならない。言語や数式という枠組みに落とし込むことにより、知となる。これは、その枠組みからこぼれ落ち…

インドの祈祷師は日本の妖怪に対処できるのか 3

できる。もし祈祷師が日本の妖怪に対して、地理的条件を気にすることなく、日本の妖怪だろうと何だろうと、これは自分の知っている魔物だと、つまり、自分が持っている既存の知の枠組みに、日本の妖怪を当てはめてしまうなら、インドの妖怪は日本の妖怪に対…

符合的真理

符合的真理とは、言語(観念)と事実(現実)が一致したときに真とされる真理のことである。 たとえば「テーブルの上にみかんがある。」という命題は、現実のテーブルの上にみかんがあれば真となり、みかんがなければ偽となる。 この真理は、「真理」という…

「インドの祈祷師は日本の妖怪に対処できるのか」というテーマのポイント

①目に見えないこと ②対処するということ ③向き合う構え ④カオスに対しての切り取り、どうとでも切り取れる ⑤動物とのアナロジー ⑥三次元を越えた4次元、5次元 ⑦相互信頼性 ⑧符合的真理

『論考』から『探究』 自閉症から定型発達へ

哲学者のルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの著作に『論理哲学論考』『哲学探究』がある。ヴィトゲンシュタインの哲学は前期と後期に分かれるが、『論考』は前期の『探究』は後期の代表作である。 今回の文章で提起したいのは、『論考』から『探究』への哲…